環境問題→この本から読むべき!(ゴア以上)
まずはぜひ読んでもらいたい!
1999年が初版であるが、今こそ読むべき本である。というか、初版当時に読んでいれば、この8年近くの間、もっと違う行動ができたかもしれない。世の中で「環境問題」とか「地球温暖化」と言うけれど、これに対して我々が何が出来るのか、何をする必要があるのかについては、断片的であったり、結論的(するべきことのみが決まっている)であったりして、その行動が何をどう改善しているのか(改善する可能性があるのか)については、一般的にはあまり具体的に語られていないように思う(ゴミの捨て方だって、きちんと分別しているようで、実際にはどのあとの処理についてのきちんとした知識は無いのだ)。そういった点をこの本は細かく丁寧に解説し、何をすることが何を改善してゆくことになるのかを示してくれている。
きちんとした理解無しに、いわゆる「環境的な行動」をとることは逆に環境悪化に繋がる可能性もあるのだということを示しつつ、独りよがりにならず、皆が知恵を出し合って現状についての理解やとるべき行動についての情報共有や議論を進めることが重要であると語る本書は、地球のことを考える第一歩として読むべきものであると思う。小学生とかにきちんと読ませたい。いや、本当に勉強になりました。
行動するためのビジョン
今のペースで人口が増え、エネルギー消費が拡大し続ければ、やがて化石燃料や天然資源が枯渇し、大気中の二酸化炭素の濃度が上昇する。環境が破壊され、地球に人類が住めなくなる。そんなシナリオを耳にし、環境問題に興味を持つ人は多いだろう。しかし、本当のところ問題がどれほど大きいのかつかめないため、行動に二の足を踏む人が多いのが実情だろう。
行動には明確なビジョンが必要である。
環境問題の理解とその対策を考えるには、データに基づいた判断、科学的な視点が欠かせない。その上で、50年後を見据えた大きなビジョンが必要となる。
本書は2050年に向けたビジョンを与えてくれる。環境問題の核心を掴みたい人にとって格好の入門書である。科学者、技術者に読んで欲しい。研究や技術開発には大きなビジョンが必要であり、科学者の先輩から明確なメッセージを受け取ることができる。科学と関係ない職業の人にもお勧めだ。著者は、できる限り専門用語を使わずに説明するのが得意である。分量もコンパクトで、何をどうすべきかの議論を受け取れる。各論を寄せ集めた環境問題の入門書とは明確に異なる。まずは多くの人に読んで、議論の原点として、著者の提唱する「ビジョン2050」を一考して欲しい。
地球環境問題に対する知識が、定量的で簡潔にまとめられている素晴らしい新書
地球環境問題に対する知識が、このように定量的に整理されて簡潔にまとめられている本は恐らく今までにはなかったと思う。なにより価値があるのは、この問題について、このようなまとめを可能にしている著者の思想である。特にこれから地球環境問題について勉強しようと思っている若い人は、是非この本から著者の思想を汲み取り、対象の範囲と精度をたかめていってほしいと思います。
環境問題の目指すべき方向性を教えてくれる好著
地球環境問題、特にエネルギー問題をエネルギー保存則などの 基本的物理理論により一般向けに分かりやすく解説した本です。 身近な事例を使っての説明が多く、わが身を振り返り、考えさせられる部分が多々あります。 特に、人間によるエネルギー消費が分野別にどうなっているかを解説した部分では 素材産業に比べ組立て産業のエネルギー消費が意外に少ないことや、 全エネルギー消費に占める自家用車の割合がかなり高く、物理的には非常に無駄が多いことなど、 結構目から鱗が落ちます。 また、現状のエネルギー効率によって、リサイクルや省エネが無駄であるという論にも組せず、 理論的限界を見据えて、追求すべき技術課題を的確に示している点など、 長期的ビジョンに立った、目指すべき方向性を見事に示してくれます。後はこのビジョンに沿った技術革新によって、2050年には経済活動がどうなるのか、 経済学者による検証に期待したいと思います。
資源問題の基本的な考え方が身につく。
エネルギー資源の代表格・石油は、今世紀中に枯渇するとされている。こうしたエネルギー資源問題への対策には一般的に、[1]エネルギーをむやみに使わず節約する(省エネルギー)、[2]同じ量のエネルギーを使うにしても、より効率よく使う(エネルギーの高効率化)、[3]太陽光などのクリーンなエネルギーを使う(新エネルギー開発)、といったことが考えられる。 この本でおもに扱われているのは2番目の、エネルギーをいまよりもっと効率よく活かす技術だ。いまの人間活動には、まだまだエネルギーを効率よく使う余地が多くあるという。たとえば自動車。二酸化炭素排出の大きな要因となっている自動車ではあるが、理論的にいえばなんと燃料いっさいなしで走ることができるのだそうだ!(タイヤ・道路間の摩擦で生まれる熱を車の発進時に使えば、燃料は要らなくなるという)。 人間活動を各作業ごとに区分けして比で表すとすると、燃焼、還元は1000、吸熱、発熱反応は100、蒸発、凝縮、膨張は10、融解、凝固、加熱、冷却、分離は1、輸送、形成は0になるという(熱燃焼を100とする)。この数値を知っておけば、自分を含めた社会がしている行為がどのくらいのエネルギーを使っているかを考えることもできる。実体の掴みづらいエネルギーというものを数値として計算できるようになるので、たとえば「リサイクルはエネルギーの無駄づかい」といった話も誤解であることがよく理解できるようになる。 エネルギー問題の基本的な考え方がしっかりと身につく本だ。知っているようで知らなかったことが多いと気付かされる。数字の話もけっこう多く出てくるけれど、どれも無駄な情報はない。逆にこれらの基本的数値を把握しておけば、環境の時代を生きていく上でなにかと優位に立つことができるだろう。とくに、これから素材や製品の技術開発を目指すような方や、環境問題をビジネスチャンスとお考えの方には格好の入門書になると思う。
岩波書店
地球温暖化を防ぐ―20世紀型経済システムの転換 (岩波新書) サステイナビリティ学への挑戦 (岩波科学ライブラリー) 知識の構造化 入門 環境経済学―環境問題解決へのアプローチ (中公新書) 「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ
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