砂時計の七不思議―粉粒体の動力学 (中公新書)



砂時計の七不思議―粉粒体の動力学 (中公新書)

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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粉流体の現象と科学的アプローチについて

塩や砂糖などの粉流体の動力学と聞くと、複雑系の範疇の1つに入る分野で取り扱われる
題材かと思いますが、その粉流体の集合を「流れ落とす(砂時計)」、「吹き飛ばす」、
「かき混ぜる」、「吹き上げる」、「ゆする」ことにより、通常の流体である「水、
沸騰する湯、空気」のような挙動を示すことが例示され、更にそこでは粉流体と流体との
現象の違いについて考察されています。
若干のシミュレーション解析が示されていますが、主に現象論的な解釈が中心と
なっています。
このような系においては物理という学問からのアプローチでもまだまだ不明な点が
多いことから、筆者は終章に粉流体現象を解明する意義やシミュレーション予測の
方法論と意義などについての考察を基にして、科学全般にわたる根本から問いかけが
なされており、これも効果的に現代科学のアプローチに対して一石を投じていると
思います。
ただ、本書を通じての印象ですが、肝心の粉流体の現象については雑学的視点での
解説に終始してしまっているところがやや残念に感じられました。
理科好きにはお勧め

砂時計の砂は流れていますが,いわゆる液体でもないし固体でもありません.これを粉粒体と言うそうです.この粉粒体は流れているときは液体のように振る舞いますし,止まると固体になってしまいます.雪崩や土石流などがこの粉粒体として説明できるようです.

本書では,この粉粒体の物理について易しく解説してあり,素人でもおもしろく読めます.また,砂時計や砂漠の風紋のような身近な現象についてもまだまだ分かっていないことが多いというのには驚かされます.

科学に興味のある方には非常にお勧めです.

何もわかっていないことをわからせてくれました

 ある方からアドバイスをいただき、学生時代にとっかかりが見つからなかった問題について20年ぶりに考える機会がきたかもしれないと直感しました。当時の関心は、岩石内の粒粒でした。「なぜ、この大きさの粒なのか」、「それらの粒はどうやって集積し固まったか」を、2次元断面の画像から分析しなにかを議論できないか、というのが私の問題意識でした
 当時は「粉体」についての書籍を書店で探してもほとんどなく、インターネットもない時代ですからそれ以上は広がらずに終わってしまっていました。今回見つけたのが、本書です。著者の田口 善弘氏は私と同世代の物理学者。粉粒体について、一般人も興味がもてそうな砂時計や砂丘の風紋といった話題からスタートし、一見”軽い”感じもするのですが、最終章の物理学の本質にかかわる私見の独白に強く共感できました。「再現できるからといって理解できたわけではない」、「でも、新しい”理解”が生まれるのかもしれない、必要になるのかもしれない」といったコメントは、自分が生きる時代の限界への不安と、限界を離散的に拡張する学問の歴史への信頼とを含んでいます。量子力学でもなく、相対論でもなく、”中途半端な”、”でも現実世界ではメジャーな”粉粒体の物理学に目を向けて実験と洞察を重ねる科学者がいることを頼もしく誇らしく感じました。

美しき物理学

この本は講談社出版科学文化賞を受賞した本で、粉体がつくる模様のメカニズムについて紹介する。適切な分量で、入門書としては良心的な本だと思う。砂漠の砂がつくる模様、液晶がつくる模様、これら一見複雑に見える模様はきわめて単純なプログラムで見事に再現される。粉体と液体のよく似た関係には驚いた。液体の温度が粉体の場合は、粉体を吹き上げる空気の速度に対応していて、数学的にも液体と粉体で極めてよく対応していることが述べられている。しかし粉体と液体がまったく同じ対応を示すのかと思えば、そう甘くはなく、例外も出てくる。これが第5章で述べられているのだが、この対応関係がずれてくるところが面白い。

思ったのは、物理学における未解明の謎というのは、宇宙や素粒子ばかりではく、粉体というごく身近な存在にもあるということ。これには衝撃を受ける。
最後の章は哲学的な話もあるが、物質論と現象論の対比など、面白い話がたくさんある。この手の話や脳と意識、フラクタル表面と水滴の関係など、話題に尽きない。今後の研究に期待したい。
一気に読みきりました。

とても薄い本ですが、内容はとてもわかりやすく、非常に面白い現象の解説であふれています。このような本(あるいはその内容)がもっともっと知れ渡れれば、理科を好きになってくれる中学生・高校生ももっと増えると思うのですが・・・・。



中央公論社
粉体シミュレーション入門―コンピュータで粉体技術を創造する
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半導体物理

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ヤリーヴ光エレクトロニクス 基礎編

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